【ウェブアニメ探訪】護法少女ソワカちゃん上映会のこと/前編
◆護法少女ソワカちゃん電奇梵唄会「本朝OVER THE RAINBOW縁起」レポート
8月9日(土)新宿ロフトプラスワンにて、上映イベント『護法少女ソワカちゃん電奇梵唄会「本朝OVER THE RAINBOW縁起」』が開催されました。このイベントは、アニメフラッシュが協賛のような形で参加したり、僕も当日は解説としてステージ上で喋らされたり(ほとんど酔っ払っていたようですが)で、多少、客観性に欠けるレポになるかも知れませんが、運営に参加した立場からしか見えない部分なども含めて、わずかなスペースですが、徒然なるままに書いてみたいと思います。
「護法少女ソワカちゃん」本編については、今年2月に「ウェブアニメ探訪」でご紹介したり、作者のkihirohito氏にインタビューをさせて頂いたりしましたが、イベントに先立ち開設された「特設サイト」の方でも成り立ち成り行きなど詳しく書いていますので、もしまだ「ソワカちゃん」に触れていない読者の方がいらしたら、そちらのサイトも参考にしてみてください。
・護法少女ソワカちゃん電奇梵唄会特設サイト
http://bombaye.s-dog.net/

◆ロフトプラスワンで開催されるイベントでも類を見ない人気
今回の上映イベントは、もともと、mixi「護法少女ソワカちゃんコミュ」のファン有志により今年4月に企画(作者ブログでは4月13日に初めて告知)されましたが、5月22日に「上映イベント特設サイト」が設立され、ファン同士のコミュニケーションを図る意味でも、サイトヘッダーの募集や、ソワカちゃん雑文祭などを企画。上映イベント当日までサイトを楽しめるように、スタッフ一同がそれぞれの仕事の合間を縫ってサイト運営にあたりました。
7月5日に発売されたチケットは、公式アナウンスでは僅か10分で完売とのこと。132枚のチケットはあっという間に売れ切れました。後日、新宿ロフトプラスワン担当者に伺いましたが、これはかなり稀なことのようです。
現在も続く、ニコニコ動画配信の本作ですが、4月の時点から考えても、日に日にその人気や話題性は高まっていったように感じるので、ちょうどそうした時期に、上映イベントが企画できたことがチケットの売れ行きにも反映したのだと思いますが、この事態には、スタッフ一同もびっくり。運営では、そこそこ時間をかけて80人くらいのお客さんが来てくれるくらいじゃないかと話していましたし、この事態には作者kihirohito氏自身も大変驚かれていたようです。特設サイトにあわせて、作者氏のブログにおいても、このイベント関連のことは随時告知され、ファンの方々とのコミュニケーションを大切にしていた姿勢が、こうした集客にもつながったのかも知れません。
一時は追加公演も検討されましたが、アンケートの結果、収容人数などを考えると、ロフトプラスワンでは収まりきらない人数になることや、そうなれば、素人集団のスタッフがイベントの切り盛りをするのは到底無理だろうということになり、追加公演の企画は仕方なく白紙に戻しました。ロフト側では、是非追加公演を開いてほしいとの要望もあったようですが、これはまた、別の仕切りで考え直した方がいい話と思いますので、また暫く準備期間が必要だろうと思います。
僕自身はこの数か月の間に、作者氏にお会いしたのはほとんど上映イベントのミーティングでしたが、作風とは違って、実際お会いする氏は、ユーモアに富んでいるものの、とても真面目でシャイな印象の方で、そうした人柄も、ブログにそのまんま表れているなぁと感じます。最近では、本編の人気ももちろんですが、ディープなファンほど作者氏本人のファンになっていく例があるようです。
細かい打ち合わせはメーリングリストをスタッフ間で共有することで、それぞれの仕事で容易に集まることのできない事情を補い、それぞれが納得いく落とし所を模索しながら、本当に手創りでイベントの企画、特設サイトの企画などを練って行った印象があります。
◆親子参加のファンの姿も
さて、イベント当日は天気にも恵まれ…と言うか炎天下の中、新宿歌舞伎町に集まった皆さんは本当にディープなソワカちゃんファンだろうと思います。今回はコスプレでの参加もOKというレギュレーションにしたので、そうしたレイヤーの方々の姿もありますし、当初、どういった年齢層のお客さんが集まるのかも想定できない状態だったので、本当に今回のイベントの方向性でいいのか、確かめる術もないままに開場時間の12時半を迎えます。超不安。でも、やることはやったので、あとは楽しむしかない!
僕自身は、一応出演者ということで、客入りの時間には控室に待機してなければならないので、入場時のことも、お客さんの年齢層や男女比についてもよく分からない状況でしたが(一応、控室にも会場撮影のモニターがありましたが、ほとんど分からない)、スタッフの方に聞くと、女性の方や20代の若い方が思いのほか多いとのこと。
楽屋には、当日の司会の芸人さんJJポリマーの成田氏や、ゲストの漫画評論家・伊藤剛氏などがいらっしゃいましたが、もちろん作者・kihirohito氏も緊張の面持ちで、早々にアルコールの入ったグラス(日本酒?)を傾けて、緊張をほぐしていらっしゃる様子でした。
それから、準備中、軽いリハーサルを兼ねて、幾つかの動画の上映も当然行われましたが、とにかく流石にライブハウス。音圧がもの凄い迫力で、これはニコ動配信やら自宅PCやらでは味わえない感動でした。とくにドラムやベースの低音がズンズンお腹に響く感覚はちょっと癖になります。全身でソワカちゃんの楽曲を受け止める感覚…。これは本番のお客さんも同様だったと思います。
あと、ロフトではイベントによって特別メニューということで、普段は出さないメニューを用意してくれるシステムがあるので、当然ソワカちゃんイベントなので、本編に登場した食べ物や飲み物「具なしナポリタン」や「どろりとしたハブ酒」「カクテキ付きコーヒー」「ドクぺ(ドクターペッパー)」「都こんぶ」「カロリーメイト」などを特別メニューとしました。価格はそれぞれちょっと高めですが、これはロフト側の価格設定で、どのイベントに於いてもこちらで値段設定出来るものではないようでした。
このハブ酒が一番人気だったらしく、イベント入場早々から開演までの30分間で、ほとんど出切ってしまったようで、後から「飲みたかった〜」という話を方々で耳にしました。
それに驚いたことに、親子連れのお客さんもいらっしゃったようで、結局お客さんの年齢層は、上は40代以上から下は11歳の女の子という広さで、一番多かったのがやはり20代後半辺りの方々だったようです。事前にコスプレ参加アリのイベントであると告知していたり、開催日や時間などから考えると、やはり機動力のある20代の人たちが一番多かったというのは妥当な結果かも知れません。
僕個人的には、ソワカちゃんファンは(ああした体裁のニコ動配信アニメですが)結構年齢層は高めだろうと思っています。少なくとも、昨年10月に投稿され始めた頃、話題にあげて、たとえば2chスレなどを立てたのも結構年齢層の高い方だったんじゃないかなと想像します。とは言え、まぁこれは確かめる術はありませんが、どちらにしてもこのファンの年齢層の幅の広さが、ソワカちゃんの不思議なところでもあり、魅力であるとも言えるのかも知れません。
そうこうしていると、開始を告げるオープニングアニメの音楽が始まりました。会場はザワつきながらも、スクリーンに集中しているようです。控室まで、その熱気は伝わってきました。
◆イベントタイムスケジュールとプログラムについて
筆者視点の感想も交えて、上映イベント開演あたりまでを振り返ってみましたが、ここで全体の構成を。大体のタイムスケジュールと担当者をまとめてました。
ソワカちゃんシリーズは時系列で配信されていないので、上映時はどういう順番にするべきか相当悩み、挙句には特設サイトで要望をファンの方に伺ってみたり。結局、作者氏に決定をお願いし以下のような構成、順番になりました。
司会:成田優介(JJポリマー)
解説:亜樹28号(animeflashライター)
PC操作:アヨハタ(animeflash代表)
開場:12:30
開演:13:00
1.オープニング(コラボ作品)上映…制作:kihirohito/ナレーション:ちぇりゆき/背景・蜘蛛デザイン:甘栗
2.出演者挨拶
3.本編上映(1)…護法少女ソワカちゃんOP/6話・虚空蔵からのメッセージ/7話・あの菩提樹の下へ
8話・やがて業火に包まれん/再生と法滅のあいだ/コードネームは赤い数珠赤/千々石ミゲル友の会のテーマ
4.本編上映(2)…2話・赤き胎海をめぐりて /3話・哀しみ行脚日本海/4話・LOVE or DYE
5話・夢の曼珠沙華/メリークリスマス in お寺/ソワカちゃん音頭
<休憩>14:00頃
5.本編楽曲セッション動画…アレンジ・演奏・歌:涅槃(ねはん)/メンバー:アーサー/天狗/usb
演奏曲:1.護法少女ソワカちゃんOP/2.香巴拉の門/3.南無666/4.大忙殺峠(涅槃MIX)
動画構成:涅槃/動画編集:1・2…天狗/3…アーサー/4…usb/音源ミキシング:天狗
6.本編上映(3)…9話・香巴拉の門/10話-1・機械居士かく語りき/10話-2・南無666
11話・修羅礼賛/一蓮托生なり三兄弟/11話・修羅礼賛 feat. Cool Young
<休憩>15:00頃
7.トークショー…ゲスト:kihirohito/伊藤剛(漫画評論家)/SaltyDog(まとめサイト管理人)
8.上映(4)…1話-1・波浪!!ソワカちゃん花まつり /1話-2・_闥婆城奇譚
1話-3・はすのうてな/1話-4・秘陣閃耀降魔/噫無常(がくぽver)
ED・極楽に行きたいのなら(電奇梵唄会ver)
9.イベント終了挨拶
10.サイン入り色紙争奪ジャンケン大会
11.エンディング上映「そんなところに神は宿らない[特別版]」…構成・編集:SaltyDog
終了:16:00頃
イベント用に運営で用意した動画はの3つ。オープニングとセッション動画とエンディングです。
すでにニコ動にあげらえている動画もあるので、リンクを張っておきます。
・護法少女ソワカちゃん電奇梵唄会オープニング
オープニングは当初ミーティングのときに、イベント用に動画をひとつ、作者氏に作ってもらうのは可能か伺ったところ、オープニングを作りましょうという風にお返事いただいたんだけど、お仕事の関係で時間が微妙になると思うので、誰かに手伝ってもらうかもしれない、ということで進行していました。コラボスタッフの人選などは全てkihirohito氏自身によるものです。かなり不思議なオープニングで、視聴したみなさんビックリしたのではないでしょうか。僕もナレーションとBGMを初めて聞いた時は唖然としました。
・【梵唄会セッション動画】護法少女ソワカちゃん【涅槃】
バンドのセッション動画は、当初、生バンドを組めたらおもしろいね、という話は早々にスタッフ間の話に上がっていました。ですが立ち上げスタッフの中にはそうした資質を持った人はいなかったので、直ぐに諦めたわけですが、ニコ動の「演奏してみた」界隈で見られるような、個人演奏の動画を編集してセッションしているように見せる動画の形式なら可能かもしれないねという話になり、いろいろな伝手を頼りに、アーサーさん、天狗さん、usbさんの3人に連絡を取り、制作を受け持っていただいたという経緯です。本当に短期間の中で、4曲もの演奏と撮影と編集などをこなした彼らは、素晴らしいと思います。
編集作業も聞くところではイベント前日(当日の朝)ぎりぎりまで掛って作られたようです。僕も完成版は本番の時に初めて視聴しました。そんな感じでバタバタだったせいか、当日のセッション動画の解説で、どうも僕は製作期間を「1か月」と言ったり、「歌を3人それぞれが1曲づつ担当している」など間違ったアナウンスをしてしまっていたようです。どうもスミマセン。天狗さんは歌っていません。製作期間ももっと長いです(曲決定のミーティングから諸々含めると3か月くらい)。
「涅槃」の活動が今後も続くかは今のところ不明。上映された動画のうち「大忙殺峠(涅槃MIX)」以外の曲はニコ動に時間差でアップされる予定のようです。てか、「涅槃」ブログ作ればいいのに。とりあえず。
・そんなところに神は宿らない【電奇梵唄会特別版】
エンディングの構成・編集は、まとめサイト管理人SaltyDogさんが担当されました。SaltyDogさんも、それほど動画編集の経験があるわけではないと仰っていましたが、今回のためにかなりいろいろ勉強されたようです。敬服します。素晴らしい動画に仕上がり、自宅で試写を見たときには思わず涙腺が緩みました。
当日は、控室に引っ込んでモニターでの視聴でしたが、やはり相当感動したのを覚えています。
・極楽に行きたいのなら(電奇梵唄会) 護法少女ソワカちゃん
この他にも、作者氏自ら、イベント用に手を加えられた動画が幾つか。もっともハッキリ分かるのは、「上映(4)」の「ED・極楽に行きたいのなら(電奇梵唄会ver)」です。数か所手直しされ、自虐的な作者登場のギャグなどのシーンも、実は僕自身会場で初めて視聴しました。ラストにああした手直しを入れてくるセンスは流石だと感じました。作者登場は手塚治虫さんの漫画はもとより、ヒッチコックの映画を出すまでもなくエンターテイメントではかなり王道な演出でもあるので、今後も「袋のままで行く」シリーズなどで作者氏の自虐ネタなど見れたら面白いなぁと強く思います。
◆ジャンケン大会の奇跡
話は少し前後しますが、イベント終了時の挨拶の後に行われた「ジャンケン大会」というのは、実は時間調整でカットされるかもしれないコーナーとしてセッティングされていました。当日の流れでは、休憩のたびの確認に「時間が押してるので、やっぱりカットの方向で」との話になりつつありましたが、終了間際にやはり「やろう!」ということになり、強行されました。
作者氏とお客さん全員でジャンケンをし、「あいこ」と「負け」の人は抜けていくというルールです。勝者には「作者直筆のソワカちゃんとサイン入りの色紙」贈呈。
ジャンケンは偶然の結果で展開が変わり、どれくらい時間がかかるのかも分からないものですが、意外とあっさりと勝者は決まりましたが、それがなんと最年少11歳の女の子のお母さん。ステージには母子一緒に上がっていただいて、賞品授与式です。すると、思いがけず女の子から作者氏に、ソワカキャラ「パパ」の編みぐるみのプレゼントという微笑ましい展開に。このシーンは、奇跡的なくらいイベントのラストを飾るに相応しい名シーンでした。ちょっと鳥肌。涙目。
◆ニコニコ動画を大画面で観るということ
今回のソワカちゃん上映イベントで心配だったことの一つには、ニコ動配信をしているアニメ動画をみんなで観てみよう!楽しみたい!という趣旨そのものも含まれます。ロフトプラスワンでは、「バカ動画」というカテゴリ(?)で、Youtubeも含めてあげられる、動画投稿サイトの面白い変わった動画をみんなで観て、突っ込みを入れるというイベントも多く開かれていますが、そうした雰囲気の上映とは、今回ちょっと違う方向性を持っていました。
もちろん、突っ込みを入れるのもアリですが、基本は「連続ものの自主制作アニメの上映会」寄り。純粋な作品鑑賞会というノリとも違った方向性であると思います。それは作品の特性も含んでの話ですが…幅広い客層も含め、そうした初めてづくしの上映会が今回の「電奇梵唄会」だったと思います。結果、ちょっとほのぼのした楽しいイベントになったと感じます。
器を作っておきながら、そこにどんな料理が出来上がるのか分からないままでの開催、と言ってしまっては無責任なようですが、これまた奇跡的に当日集まって頂けた素晴らしいお客さんが、当日のあの暖かな素晴らしい雰囲気を作り上げたのだと思います。また、司会を担当して下さったJJポリマーの成田氏の頑張りのおかげであると思います。
そして何より、改めて「護法少女ソワカちゃん」というエンターテイメント作品のパワーだと再確認しました。
次回「ウェブアニメ探訪」は後編として、ソワカちゃん作者kihirohito氏に「イベントを終えての感想」などを含め、前回インタビューした2月からの状況の変化や気持ちの変化など、また久々にインタビューしてみたいと思います。お楽しみに。

※今回使用した写真の一部は、特設サイトから提供していただきました。コスプレイヤーさんのモザイクに関しては、本人確認後プライバシーの問題からこちらで処理させていただきました。尚、特設サイトの方でも「上映会レポート」がアップされています。加えてイベント参加者からのレポートの募集企画もありますので、お客さん目線、スタッフ目線のレポートを読むことができます。
【当サイト内の関連記事】
・ウェブアニメ探訪 【護法少女ソワカちゃん】
http://www.animeflash.jp/news/2/post_20.html
・ウェブアニメ探訪 【「ソワカちゃん」作者に聞いてみた】
http://www.animeflash.jp/news/4/post_25.html
・【ウェブアニメ考察】その1:昨年のオリジナルアニメーション
http://www.animeflash.jp/news/cat31/post_41.html
・【ウェブアニメ考察】その2:名称にまつわる状況を確認してみる
http://www.animeflash.jp/news/cat31/post_43.html
・【ウェブアニメ考察】その3:「動画共有サイト」というメディア
http://www.animeflash.jp/news/cat31/post_47.html
・護法少女ソワカちゃん 電奇梵唄会(でんきぼんばいえ)
「本朝OVER THE RAINBOW縁起」が開催、公式サイトもオープン
http://www.animeflash.jp/news/3/_over_the_rainbow.html
・護法少女ソワカちゃん 電奇梵唄会(でんきぼんばいえ)
「本朝OVER THE RAINBOW縁起」会場、チケット情報が発表
http://www.animeflash.jp/news/3/_over_the_rainbow_1.html
【関連サイト】
・ソワカちゃん疏鈔/「護法少女ソワカちゃん」まとめwikiサイト
http://sowaka.s-dog.net/
・逆転写無縁仏/作者kihirohito氏ブログ
http://blogs.yahoo.co.jp/sowaka_chan
【mixi「ウェブアニメが好き」コミュ管理人・亜樹28号/20080812-27】
ちなみに、僕が「ウェブアニメ」と称するのは(プロアマ問わず、有料無料を問わず、個人サイト動画配信サイト問わず)Web上で視聴できる作家性の強いオリジナルなアニメーションのことです。
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